平成18年度卒園式園長式辞

年長児の皆さん、ご卒園おめでとう。
ここ数日、寒い日が続いていますが、黄色い体操帽子を被り、元気に園庭で遊んでいる皆さんの姿を見て、つくづく大きくなったなぁと感じてしまいました。きっと、さくら幼稚園の制服も小さくなってしまったでしょう。
今日まで一緒に過ごしてきた47名の友達が一緒に集まるのは今日が最後になってしまいました。
一人ひとりが色々な思い出を持っていることと思います。
その中には、さくら幼稚園でしか経験できなかったことがあるはずです。
さくら幼稚園でしか出会えなかった友達がいるはずです。
そして、幼稚園での友達はいつまでも覚えているものです。友達を大切にしましょう。

さくら幼稚園で皆が行ってきたことは、決して簡単な事ばかりではありませんでした。
不思議なことに、一人では難しいことでも、ここにいる皆が集まってやると、だんだんうまくなってゆき、いつのまにか応援しあい力を合わせて、ついにはできてしまいました。
皆は気づいていない事ですが、大人の人にでも難しい事を皆はできてしまい先生をびっくりさせたこともありました。
小学校では、新しいクラスで新しい友達に出会いますが、自分の力を信じて新しいことに挑戦してください。
色々なことができるようになって、楽しくなるはずです。

皆さんには最後に一つお話をしたいことがあります。それは、この前の卒園式の練習の時に伝えておいた『あいさつの大切さ』です。
皆が大きくなって自分の気に入った仕事を探すときに、まず勤めたい所に行って何というでしょうか?
朝行けば「おはようございます。」昼間に行けば「こんにちは。」や「ごめんください。」などと言って、それから「よろしくおねがいします。」という言葉も付け加えるでしょう。
これをしっかり伝えないと、「君はあいさつもきちんとできないのかい」と言われて断られてしまいます。
いくら一生懸命勉強しても、または、得意なことを一生懸命練習しても、あいさつがきちんとできなくて自分の夢がかなわなくなることが実際にあるのです。
あいさつは夢や希望をかなえる始まりと言えるはずです。
このように聞けば、あいさつをきちんとしようということがわかってもらえたと思います。
「おはようございます。」「こんにちは。」以外にも「ありがとうございました。」や「さようなら。」など、あいさつの言葉はいろいろあります。
今のうちから、相手の目を見てきちんとしたあいさつができるようにしましょう。
どうぞ皆さん、さくら幼稚園で蓄えた自信と勇気を持って、それぞれの小学校へ行っても
活躍して下さい。
改めまして保護者の皆様、お子様のご卒園おめでとうございます。
先ほどの保育証書の授与では、全員がとてもいい眼をしていました。
恐らく、子ども達なりに卒園式の意味を理解してくれているのでしょう。
皆様同様私も、幼稚園に勤める人間として子どもたちが毎日ケガなく大きな病気をしないで過ごしてくれればいいなと願っておりました。
そして本日の卒園式を無事に迎えられた事にほっとしております。

幼稚園に入る前のお子様の様子を思い出して頂くと、この年代の生活面での成長に驚かされると思います。これは本人の努力プラス家庭でのサポートがあったからです。
このサポートをこれからは、より自立を意識したサポートに変更させていかなければならないでしょう。
1年間お子様は一クラス15または16名で、保育を受けてまいりました。
おかげで、まとまりやすい反面ややもするとマイペースなところがありました。
けじめのある行動が小学校では求められますので、入学までに御家庭でも気をつけてみてあげて下さい。そして入学後は小学校の先生やお子さんと話をしながら、御家庭でサポートの仕方の工夫をして下さい。但し、年長から1年生では、ほんのわずかな違いですので、決してあせらないで下さい。
教育は何事にも時間がかかるものだと思います。

さて、お子様のこれからの小学校生活では全ての事が皆と同じという事はありえません。
これからは、子どもに喜ばされたり反対に心配をかけらりたりの連続ではないでしょうか。
教育の本当の目的を考えて、子どもに伝えるには、子ども以上に親が我慢強さをもとめられるような気がします。
しかし、苦労のあとの達成感は何事にもかえがたい心地よさがあることは、既にご経験済みだと思います。
どうぞたくましいお子様、ご家庭を築き上げて下さい。
ご健闘をお祈り致します。

決してお子様の園生活が快適とはいえなかったと思いますが、入園から本日まで多岐に亘りご理解及びご協力を頂きましたことに感謝申し上げます。
卒園されるお子様の健やかな成長、そしてご家庭の皆様のご健康をご祈念し、以上で
平成18年度さくら幼稚園卒園式の園長式辞とさせて頂きます。